coffee talk / 好きなコーヒー屋さんはありますか?
若い頃はずいぶんカフェ巡りをしました。
食事代を節約して、休みの日には行きたいお店を何軒も訪れ、
おいしいコーヒーをいただきながら、本を読む時間が大好きでした。
その中でも、今はなき吉祥寺「もか」さんは休みの度に伺わせていただきました。
もちろん自家焙煎で、マスターの標さんは知る人ぞ知るコーヒーの神様のひとりです。
カウンターでコーヒーをオーダーして、カップの底にコーヒーを残して帰るお客様がいると後を追いかけていき、
どこが気に入らかったのか?と尋ねる方でした。
後に書籍にもなり、「コーヒーの鬼」といかめしい呼び名を付けられてしまいましたが、これはどうかなと個人的には思います。
イエメンやエチオピアを訪問し、今で言うコーヒーのフェアトレードを実現した中心人物です。
また、あまり行けませんでしたが、博多の「美美」さんも大好きなコーヒー屋さんです。
若い頃に博多出張があると、閉店間際に訪問し、身分を明かした上でコーヒー談義に話を咲かせました。
当時は移転前で、大通りに面した店舗は20時閉店でしたが、22時頃まで看板も消さずに話し込み、
常連さんが「今日はやってるの?」なんてこともありました。
こちらももかの標さん同様に、フェアトレードの先駆けの方で、
「中山さん、ちょうど今日イエメンでお願いしていたモカマタリが届いたんだよ。まだ焙煎してないけど生豆の香りだけ嗅いでみる?」
なんてことをやってました。
実はこの方がコーヒー生豆を水で洗うエチオピア方式を取り入れており、
これをお湯に変更したのが私たちカリオモン方式のなっております。
いまは移転され、福岡城の庭を借景とした素晴らしいカフェとなっており、
亡くなる少し前に森光マスターのコーヒーをいただけたことは、私の人生に大きな影響をもたらしていただき、
カリオモンという会社名にも繋がりました。
熱いハートと温かな心を持った素敵な珈琲人でした。
私もこのような人に少しでも近づけるように、また明日から頑張りたいと思います。
サードウェーブと言われていますが、このような偉大なる先人たちを忘れていただきたくなくて、
ここでご紹介させていただきました。
おいしいコーヒーをどうぞ。
写真はカリオモンのオープン前に店舗イメージをスケッチしたもの↓
レンガのアーチがお気に入りです。